【1月24日 AFP】中国スーパーリーグ(1部)の大連人職業(Dalian Professional FC)で指揮を執っていたラファエル・ベニテス(Rafael Benitez)監督が23日、突然の辞任を発表した。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)に伴う家庭の事情が理由だという。

 スペイン出身で60歳になるベニテス監督は、チームを欧州制覇に導いたリバプール(Liverpool FC)やチェルシー(Chelsea)、ナポリ(SSC Napoli)、レアル・マドリード(Real Madrid)などの指揮官を経て、2019年7月から大連を率いていた。

 しかしこの日、自身の公式ウェブサイトで「残念ながら、昨年は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で多くのことが変わってしまった。私たちの生活とプロジェクトもそうだ」とし、「悲しいが本日以降、私とコーチングスタッフはもう大連人職業で指導することはない」と発表した。

「素晴らしい経験だったし、全てのスタッフとコーチ、医療スタッフ、クラブ職員、そして選手に感謝したい」

「パンデミックは誰にとってもまだ収まっておらず、家族を支えることを最優先にしたいというのが今回の決断の決め手となった」

 ベニテス監督は年俸1200万ポンド(約17億円)とも言われる大連との契約をあと1年残していた。

 英メディアはすぐに、英国に拠点のあるベニテス監督がプレミアリーグのニューカッスル(Newcastle United)に復帰する可能性を伝えている。監督はニューカッスルのファンに広く支持されていたが、2019年6月の契約満了と共にチームを離れた。その後に就任したスティーブ・ブルース(Steve Bruce)監督はファンの信頼を得られず、今季も下位に低迷している。

 しかしベニテス監督も、チームの立て直しを託されて大連の指揮官に就任したものの、1年目は16チーム中の9位。新型コロナの影響で大きくスケジュールが変わった昨季は開幕からスランプに陥り、降格がちらついたタイミングもあった。

 最終的には問題なく残留に導いたが、選手とスタッフを隔離環境「バブル」に閉じ込め、家族とも2か月以上会わせないリーグ戦の進め方には不満をあらわにしていた。(c)AFP/Peter STEBBINGS