【1月24日 AFP】開幕まで2週間を切った20クラブW杯(2020 FIFA Club World Cup)について、カタールの主催者が23日、国外のファンの受け入れを禁止するなど、厳しい新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策を敷いて大会を実施する予定だと話した。

 大会は2月4日に開幕し、会場はどちらも4万人規模の収容人数があるが、観客の数を30パーセントに制限して試合を行う。

 保健省でスポーツ関連のアドバイザーを務めるアブドゥルワッハーブ・アルムスラー(Abdulwahab al-Musleh)氏は、記者会見で「観客は試合の72時間前までに簡易PCR検査か抗原検査を受ける必要があり、陰性の人にだけチケットを渡す」と話した。

 ソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)とマスク着用、国の接触追跡アプリの使用、消毒も義務化される。また、国のウイルス対策によって国外のファンは入場できず、ファンゾーンなどのイベントも行われない。

 カタールでも新型ウイルスの感染は刻々と広がっており、この1週間の人口10万人あたりの感染者数は、前の週から15パーセント増の59.5人となっている。とはいえ、ほとんどの近隣諸国と比べて死亡率は極めて低く、感染率も低い状態を保っている。

 アルムスラー氏は、昨年末のAFCチャンピオンズリーグ(AFC Champions League 2020)のアル・ヒラル(Al Hilal、サウジアラビア)でクラスター(感染者集団)が発生したことを参考に、「同様の事態が発生するのを防ぐため、複数の対策を取っている」と話している。

 クラブW杯では15日、オークランド・シティ(Auckland City、ニュージーランド)が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的な大流行)と、それに関連する同国政府の隔離措置を理由に出場を辞退した。

 そのため2月4日から11日までの大会には、開催国代表のアル・ドゥハイルSC(Al Duhail SC)、アル・アハリ(Al-Ahly SC、エジプト)、バイエルン・ミュンヘン(Bayern Munich、ドイツ)、蔚山現代(Ulsan Hyundai、韓国)、UANLティグレス(UANL Tigres、メキシコ)、そして今月30日に決まるリベルタドーレス杯(Copa Libertadores 2020)の王者が出場する。

 オークランド・シティが辞退したため1回戦は行われず、同チームと対戦予定だったアル・ドゥハイルは2回戦から登場する。その他の開催形式に変更はない。

 会場はアフメド・ビン・アリ・スタジアム(Ahmad Bin Ali Stadium)とエデュケーション・シティ・スタジアム(Education City Stadium)の2か所で、カタールにとっては2022年W杯(2022 World Cup)に向けた重要なテストになる。(c)AFP