【1月22日 Xinhua News】ブレーン・コンピューター・インターフェース(BCI)技術は、人の脳とコンピューターまたはその他の電子機器との間で、通常の脳の情報出力経路(末梢神経と筋肉組織)に依存しない情報伝達システムを確立する新技術を指す。

 中国の天津大学(Tianjin University)医学工程・転化医学研究院の実験室を訪ねると、感度の脳波電極に覆われた電極帽をかぶった男子学生が、コンピューター画面をじっと見つめていた。学生は両手を使わずに「思考」のみで小型無人機(ドローン)を操縦し、輪の中を通過させることに成功。無人機の連続かつリアルタイムな安定制御を実現した。

 同実験室は以前にも、BCIコマンド数とコーディック(情報の符号化)速度の相互制約という難問を解決し、限界とされた100コマンドの壁を打ち破り、108コマンドでの「思考筆記」「思考文字入力」を成功させている。

 医療リハビリ分野では、同大学の神経工学チームが人工神経リハビリロボットシステム「神工」シリーズを開発。天津市の複数の三級甲等医院(最高ランクの医療機関)で実施したBCI技術を使ったリハビリ訓練の臨床試験では、多くの患者で明らかな改善がみられた。

 BCI技術は航空宇宙分野でも人類が深宇宙の謎を解き明かす可能性を広げている。中国が2016年に実施した「天宮2号」と「神舟11号」の有人飛行ミッションでは、天津大学神経工学チームと中国宇宙飛行士センターが、人類初の宇宙でのBCI実験を成功させた。

 天津脳科学センターの主任補佐で、天津大学医学工程・転化医学研究院の許敏鵬(Xu Minpeng)副教授は、BCI技術の応用場面が将来さらに増え、人類の生活と切り離せないものになると語った。(c)Xinhua News/AFPBB News