■「可能だが難しい」

 洋上風力も再生可能エネルギー拡大の有力な原動力として浮上しており、政府は2040年までに45ギガワットの導入を目指す。これは現在の導入量2万キロワットからは著しい増加で、現実的ではないという意見もある。

 EU市場と比べ、日本には風力発電に適した場所が多くないと語るのは鈴木伸一(Shinichi Suzuki)氏。太陽光パネルの設置と運営を手掛ける日本企業のエクソル(XSOL)代表取締役社長だ。

 10年前なら洋上風力発電のコストは太陽光発電より低かったが「今では状況が逆転し、太陽光がかなり安い」と語る。また、地震など大災害の際に「復元力」のある電力源として太陽光は日本に適しているという。

 自然エネルギー財団の大林氏は、再生可能エネルギーの供給拡大にかかわらず送電網の改善は必要だと強調した。「エネルギーが供給過剰の場合、再生可能エネルギー業者は、無償で出力削減に応じるという条件下で送電網へのアクセスが許されている」

 エクソルの鈴木氏は、2050年のカーボンニュートラルの達成は「可能だが難しい」と、現実的な態度だ。「わたしたちの意志にかかっている。日本人として、政府として、業界として努力する必要がある」 (c)AFP/Sara HUSSEIN