コロナ延期に性差別騒動 トラブル続発の東京五輪、開催までの経緯
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■2021年1月:ウイルスの急拡大
冬に新型コロナの感染が急拡大したことを受け、東京都などで緊急事態宣言が出され、国内の世論調査では大会の支持率が急落した。
しかし、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(Tokyo Organising Committee of the Olympic and Paralympic Games)とIOCは大会の開催を明言し、菅義偉(Yoshihide Suga)首相は大会が「コロナに打ち勝った証し」になると強調した。
■2021年2月:性差別騒動
大会組織委員会の会長を務めていた森喜朗(Yoshiro Mori)氏が、「女性がたくさん入っている会議は時間がかかる」と発言して猛批判を浴び、辞任に追い込まれた。後任には夏冬計7回の五輪出場経験があり、当時の内閣で2人しかいない女性閣僚の一人だった橋本聖子(Seiko Hashimoto)氏が選ばれた。
その後、東京五輪・パラリンピックの開閉会式で演出を統括するクリエーティブディレクターが、人気コメディアンの渡辺直美(Naomi Watanabe)さんにブタの耳をつけて「オリンピッグ」として登場させようと提案していたことが判明。橋本氏は就任からわずか数週間で、同ディレクターの辞任を認めることになった。
■2021年3月:海外ファンの受け入れ断念
感染リスクを抑制するため、五輪では史上初めて、海外客の受け入れ断念が決まった。
3月25日には無観客の中で聖火リレーの出発式が福島で行われ、桜をモチーフにしたデザインのトーチに火がともされた。聖火は全国47都道府県を回ることになっていたが、最終地の東京など感染者が急増している一部地域では、公道でのリレーが中止された。
そして4月には、北朝鮮がアスリートをコロナから守るとして、大会への不参加を表明。五輪を機に、核武装を進める同国との対話を再開しようとしていた韓国の期待は打ち砕かれた。
■2021年6月:海外選手団の第1号到着
季節が春から夏に移り変わったが、パンデミックは依然として猛威を振るい、同時に変異株が出現する中で、五輪を計画通りに開催すべきかどうかの議論が高まった。
しかし、一部のテスト大会は成功裏に終わり、トラブル続きの東京五輪にとっては大きな一歩となった。そして6月1日には海外選手団の来日第1号となるオーストラリアのソフトボールチームが到着した。
ここまで大会の開催に断固として反対していた世論の声は、少し和らいできた様子を見せた。
■2021年7月:大半の会場は無観客に
より感染力が強いデルタ株の増加を含め、ウイルスの再拡大で緊急事態宣言が出されたことから、首都圏1都3県などの会場では無観客とすることが決まった。
東京都の小池百合子(Yuriko Koike)知事は、無観客開催の決定に「断腸の思い」だと表明。札幌で行われるマラソンに関しても現地での観戦を控えるように促されている。(c)AFP