【7月20日 AFP】新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)による史上初の大会延期から女性差別騒動に前代未聞の無観客決定――。東京五輪開催までの道のりは順風満帆とは程遠いものだった。

 23日の開会式を直前に控え、AFPは大会までの道のりで起きたトラブルを時系列で振り返る。

■2013年:涙と歓喜

 国際オリンピック委員会(IOC)が2020年大会の開催地を東京に指名した際、テレビのニュースプレゼンターは涙を流し、日本国民は歓喜に沸いた。

 2011年に起きた東日本大震災による津波や福島の原発事故で被災した人々への思いから、五輪は復興のチャンスになるとみられていた。

■2015〜16年:スタジアムとエンブレム騒動

 イラク系英国人建築家、ザハ・ハディド(Zaha Hadid)氏がデザインした新しい国立競技場(Japan National Stadium)は、20億ドル(約2200億円)以上に上る建設費が日本国民の反発を招き、2015年7月に計画が白紙撤回された。

 また、当初デザインされた東京五輪・パラリンピックのエンブレムは、ベルギーの劇場ロゴに酷似していると指摘されて使用中止となり、2016年4月にチェック柄(市松紋様)の新デザインがお披露目された。

■2019年:賄賂疑惑とマラソン・競歩の開催地変更

 当時、日本オリンピック委員会(JOC)の会長を務めていた竹田恒和(Tsunekazu Takeda)氏は、東京五輪の招致活動で総額230万ドル(約2億5000万円)の賄賂を支払った疑いで、フランス当局の捜査対象となった。

 竹田氏は潔白を主張していたが、その後会長を退任した。

 秋には東京の猛暑を懸念し、マラソンと競歩の開催地が北海道・札幌市に変更になった。この突然の動きに、東京都の関係者は不快感をあらわにした。

■2020年3月24日:史上初の大会延期

 新型コロナウイルスのパンデミックで、日本とIOCは史上初の延期を決断した。

 新しい日程では2021年7月23日に開幕することが発表されたが、大会は引き続き「東京2020」と呼ばれることになった。

■2020年12月:ウイルスの感染防止規定

 新日程での五輪開催を誓う主催者は、安全な大会実施に向けた計画の大筋を発表。

 アスリートは定期的な検査と接触の制限が義務付けられることになった。また、IOCは可能な限り多くの参加者にワクチンを提供すると約束したが、接種するかどうかは個人の自由とした。