【1月20日 AFP】スリランカで19日、聖人を自称する男性が作った新型コロナウイルスの感染を予防し治療もする奇跡の薬を飲んだ大臣が新型コロナに感染し、入院したことが分かった。

 自称聖人のダンミカ・バンダラ(Dhammika Bandara)さんが作った薬を求めて先月、集会禁止の規制を破りスリランカ中部の村に人が殺到した。

 複数の政治家がバンダラさんの薬を飲んだ。ピヤル・ニシャンタ・デシルバ(Piyal Nishantha de Silva)女性・子ども・社会保障相もその一人だ。しかし、議会関係者らによると、デシルバ氏は新型コロナの検査で陽性が確認され、治療施設に収容された。

 バンダラさんと同じ村出身のある政治家の家族も、薬を飲んだにもかかわらず新型コロナに感染した。

 バンダラさんは、薬の製法は死と破壊をつかさどるヒンズー教の女神カーリー(Kali)から教えられたと主張しており、蜂蜜とナツメグが含まれていることは明かしている。

 政府系メディアは、この薬を大きく取り上げていた。また、バンダラさんの薬は、政府から伝統医薬サプリメントの認定を受けている。だが、政府はバンダラさんから慌てて距離を置き始めた。

 マスメディア相を務めるケヒリヤ・ランブクウェラ(Keheliya Rambukwella)氏は「一部の国会議員がバンダラさんの薬を服用したが、政府が推奨しているわけではない」と述べた。

 スリランカの新型コロナの感染者数は5万3750人、死者は270人となっている。(c)AFP