【1月20日 AFP】カジュアルな装いをしたカマラ・ハリス(Kamala Harris)次期米副大統領の写真を使った表紙が物議を醸していた米ファッション誌ヴォーグ(Vogue)は19日、フォーマルな服装のハリス氏の写真を使った特別増刊号を発行すると発表した。

 物議を醸していたのは、スニーカーにブレザー、ジーンズ姿のハリス氏の写真で、2月号紙版の表紙に使用された。10日に公表されるとソーシャルメディア上では批判が殺到し、写真の構図が悪いという指摘や、黒人女性で初めて副大統領に選ばれたハリス氏に対し無礼だとの声が上がった。

 ソーシャルメディア上では撮影時の照明についての批判も展開され、ヴォーグ誌がハリス氏の肌の色を実際より明るく写るように撮影したのではないかと疑う声が上がった。

 ヴォーグはこうした批判を受け、フォーマルなハリス氏の写真を使った特別増刊号を発行すると発表した。ブランド「マイケル・コース(Michael Kors)」の水色のパンツスーツを着用したもので、2月号デジタル版の表紙に使われていた。

 ヴォーグの広報担当者は、「デジタル版の表紙に対する多大なる関心に鑑み、そしてこの歴史的瞬間を祝うため、部数限定の特別増刊号を発行する」と述べた。

 カジュアルな装いのハリス氏の写真が公表されると、ヴォーグのアナ・ウィンター(Anna Wintour)編集長は釈明に追い込まれ、ハリス氏のすばらしい勝利を「おとしめること」を意図したわけではないと主張していた。

 ファッション評論家のロビン・ギバン(Robin Givhan)氏は米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)に寄稿し、紙版の表紙は「カジュアルすぎ」で、ハリス氏に「しかるべき敬意」が払われていないと指摘した。

 ハリス氏はこの件について公式にコメントしていないが、関係筋が米メディアに語ったところによると、カジュアルな方の写真が選ばれたことに驚いていたという。(c)AFP