【1月20日 AFP】シリア北西部の避難民キャンプで豪雨による洪水が発生し、子ども1人が死亡し、数千人のテントが損傷もしくは破壊された。住民と支援団体の職員らが19日、明らかにした。

 子どもの権利保護団体「セーブ・ザ・チルドレン(Save the Children)」によれば、イドリブ(Idlib)県で、自身のテントの周囲にあったれんがの壁が倒壊し、その下敷きになった6歳の男児が死亡した。また、少なくとも4万1200人が豪雨の影響を受けた。

 AFP特派員によると、反体制派が支配するイドリブ県にあるキャンプでは連日の雨により、紛争で避難民となった家族らの仮設テントが泥水に漬かった状態で取り残されている。

 子ども8人の父親であるアブ・カシム(Abu Qassem)さんは、マーラトミスリン(Maaret Misrin)地区にあるテントを乾かそうと連日、家族と共に苦労しているという。

「すでに3日間、水の中を泳いでいる」と話すカシムさん。「テントの中に水が入り込み、女性たちがくみ出す努力をしている」という。

 近くでは、シリアの救助ボランティア団体「ホワイト・ヘルメット(White Helmets)」(正式名称:シリア民間防衛隊、Syria Civil Defence)の隊員がブルドーザーを使用して泥を除去した。

 住民のマフムード・アラウィ(Mahmud al-Allawi)さん(24)は「キャンプが、中にテントがある湖のようになった」と話し、「われわれの苦痛を言い表すことはできない」ともらした。

 国連(UN)のマーク・カッツ(Mark Cutts)地域人道副調整官は19日、「今後数日間は降雪と氷点下3度の低温が予報されており、悪天候が続く」とツイッター(Twitter)に書き込んだ。(c)AFP