【1月20日 AFP】グアテマラ当局は19日、ホンジュラスから徒歩で米国に向かっていた移民集団(キャラバン)数千人をバスやトラックで本国に送還した。米国でのより良い暮らしを期待して北上していた移民たちの願いはかなわなかった。

 18日、グアテマラの町バドオンド(Vado Hondo)に集結した移民約4000人を治安部隊が分断して進行を阻止した。

 移民らは19日にエルフロリド(El Florido)の国境検問所に送り返された。移民集団の大半は15日、ここからグアテマラに入った。

 グアテマラの移民当局によると、子ども数百人を含む約3500人がすでにホンジュラスに戻された。

 移民集団の接近に備えてすでに国境を閉鎖したメキシコも、バスを出して移民らの本国送還を支援したが、多くの移民は乗車を拒否した。

 タクシー運転手だったが新型コロナウイルスの流行のために失業したアレクサンダーさん(24)は、「ホンジュラスに戻るぐらいなら死ぬ」とAFPに語った。「ホンジュラスに戻ったって、飢え死にするか、ギャングの暴力で死ぬだけだ」

 移民らは、貧困や失業、ギャングや麻薬組織による暴力の他、昨年11月に上陸したハリケーンなどの被害から逃れるため、グアテマラとメキシコを経由し、数千キロもの距離を歩いて米国を目指そうとしている。

 長きにわたって厳しい反移民政策を掲げたドナルド・トランプ(Donald Trump)政権が終わることで、移民たちはジョー・バイデン(Joe Biden)次期政権下でのより良い生活を期待している。

 15日以降、約9000人がホンジュラスを出発した。(c)AFP/Edgar Calderon with Henry Morales Arana in Guatemala City