【1月19日 AFP】16日から全国的な新型コロナウイルスワクチン接種が始まったインドで、接種予定の人のうち3分の1近くが接種を受けに来ていないことが分かった。

 インド政府は、7月までに人口13億人のうち3億人に接種を行うという世界最大規模となる接種計画を打ち出している。

 政府によると接種開始から3日間で38万1305回のワクチン接種が行われた。ワクチンの副作用を訴えたのは580人だった。

 ある保健当局者によると、首都ニューデリーでは接種予定の人のうち、受けに来た人は53%にとどまった。

 ニューデリーの新型ウイルス対策本部の一人、サニーラ・ガルグ(Suneela Garg)氏は、接種はまだ始まったばかりで、市民は計画がうまくいくかどうか、他の種類のワクチンがどうなるかなど様子を見ていると指摘した。

 英字紙ヒンズー(The Hindu)が報じたところによると、南部タミルナド(Tamil Nadu)州では、接種を予定されていた人のうち実際に受けに来たのはわずか16%だったという。

 ある医師はAFPの取材に対し、北部ハリヤナ(Haryana)州のロータク(Rohtak)の地域医療センターでは、予定されていた100人のうち29人しか来なかったと述べた。

 匿名を条件に取材に応じたこの医師は「人々はとても怖がっている。接種を強制することはできない、任意で受けるものだ」と語った。

 ソーシャルメディア上では、新型コロナワクチンに対し、懐疑的な見方が広まっている。

 ハルシュ・バルダン(Harsh Vardhan)保健・家族福祉相は自身のツイッター(Twitter)アカウントのプロフィル欄を「ワクチンは効く」と書かれた画像に変更した。バルダン氏は「最初から、拡散されている偽情報を信じないよう警告してきた」と話した。

 インドの累計感染者数は1050万人近くで、世界で2番目に多い。(c)AFP