【1月19日 AFP】チュニジアの労働者が多く住む地区で若者らを中心に起きている暴動は、17日で3夜目に突入した。当局は18日、これまでに600人以上を逮捕し、軍の支援部隊を展開したと発表した。

 内務省報道官は632人が逮捕され、その多くは治安部隊の動きを阻止するためにタイヤなどを燃やした15~25歳の若者だと述べた。警官に投石したり、治安部隊と衝突したりした者もおり、警官2人が負傷したという。

 国防省報道官によると、複数の地域に軍の支援部隊が出動した。

 一方、国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)は、逮捕された大半は14、15歳の未成年だとし、当局に「過剰な武力」を用いないよう呼び掛けるとともに、拘束された人々の権利を守るよう求めた。

 チュニジア各地の暴動は、新型コロナウイルス対策の全国的なロックダウン(都市封鎖)が導入された先週14日に始まった。この日の10年前は、独裁政権を率いていたジン・アビディン・ベンアリ(Zine El Abidine Ben Ali)元大統領が民衆蜂起により失脚した日だった。

 チュニジアでは新型ウイルスのパンデミック(世界的な大流行)で悪化した経済危機が、激しいインフレと若者の高失業率を招き、多くの人が国を離れている。

 首都チュニスでは18日、外出禁止令が出されたにもかかわらず、数十人が再びデモ行進し、「警察と政府の腐敗」や警察による弾圧、貧困の深刻化などを非難するスローガンを叫んだ。警察は内務省に近づいたデモ隊を阻止した。

 ソーシャルメディア上では、19日にチュニスや中部ケルアン(Kairouan)、東部スファクス(Sfax)でデモを続けるよう呼び掛けられた。(c)AFP