【1月18日 AFP】オーストラリア政府の新型コロナウイルス対策で中心的な役割を果たしているブレンダン・マーフィー(Brendan Murphy)保健相付政務官は18日、ワクチン接種が始まっても、今年中に入国規制を解除できる可能性は低いとの見解を示した。

 オーストラリアは新型コロナ感染拡大阻止のため、昨年3月以降、外国人の入国に厳しい制限を課している。豪国籍保持者と家族の帰国についても、受け入れ人数を1週間ごとに限定しており、今なお数万人のオーストラリア人が海外で足止めされている。

 帰国者にはホテルでの14日間の隔離措置が義務付けられ、その費用として1人当たり約3000オーストラリア・ドル(約24万円)を支払わなければならない。

 マーフィー政務官は豪公共放送ABCに、「今年のほとんどは実質的な国境制限が敷かれたままになるだろう」と述べ、年内の出入国自由化は難しいとの見方を示した。

「国内人口の多くがワクチン接種を済ませたとしても、それで感染が防げるかは分からない」とマーフィー氏は指摘。「しばらくは隔離措置も続けることになるだろう」と語った。

 オーストラリア政府は米製薬大手ファイザー(Pfizer)のワクチンと英オックスフォード大学(University of Oxford)と製薬大手アストラゼネカ(AstraZeneca)が共同開発したワクチンを確保済みで、2月下旬の接種開始を予定している。(c)AFP