【1月18日 AFP】(更新)韓国・ソウルの裁判所は18日、電機大手サムスン電子(Samsung Electronics)の副会長で贈賄罪などに問われた李在鎔(イ・ジェヨン、Lee Jae-yong)被告に対する差し戻し審で、懲役2年6月の実刑判決を言い渡した。

 聯合(Yonhap)ニュースによると、李被告は贈賄と横領で有罪となり、直ちに収監された。サムスンはスマートフォンと半導体で世界最大のシェアを誇るが、判決を受け、実質的な経営トップが不在になる。

 李被告は、朴槿恵(パク・クネ、Park Geun-hye)前大統領が失脚した汚職スキャンダルで贈賄罪などに問われ、2017年に懲役5年の有罪判決を受けて収監された。だが、控訴審では贈賄罪のほとんどで無罪となり、執行猶予付き判決を受けて釈放された。その後、大法院(最高裁)が審理差し戻しを命じていた。

 サムスンは、家族経営の巨大複合企業「チェボル(財閥)」の中でも韓国最大で、経済界を支配している。グループ売上高は国内総生産(GDP)の5分の1に匹敵し、韓国経済の成長には不可欠な存在だ。

 李被告は、父親の李健熙(イ・ゴンヒ、Lee Kun-Hee)会長が心臓発作で倒れて以来、数年間にわたり巨大グループの経営を担ってきた。健熙氏は昨年10月に亡くなった。専門家らは、今回の判決により経営トップの座が空白となり、大規模な投資計画などの意思決定ができなくなる恐れがあると指摘している。(c)AFP