【1月18日 People’s Daily】タリム川にまたがり、タクラマカン砂漠を通過し、アルキン山を経由、標高差は2500メートル超。先日、格庫鉄道(青海省ゴルムド市-新疆コルラ市)は全線開通・運行を実現し、中国の北西部に位置する新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uyghur Autonomous Region)の南疆に進出する鉄道の通路が増えた。
午前9時ごろ、列車は新疆のコルラ駅から出発し、一気に前進する。

「しっかり座って、ゆっくり休んで」と、69歳のルイム・トゥフティさんは車内を歩き回り、隣の娘さんが彼にこう言った。

 ルイムさんがそれを聞いて、恥ずかしくなって周りの乗客を見まわし、小さな声で娘さんに答えた。「娘よ、私は今とても感動している。長年待ち望んでいたから。やっと自分の街で列車に乗ることができた」

 ルイムさんの家は新疆バインゴリン・モンゴル自治州(Bayingolin Mongol Autonomous Prefecture)チャルクリク県(Ruoqiang)チャルクリク鎮にある。首府のコルラ市(Korla)から500キロ近く離れている。 ルイムさんによると、20世紀80年代にコルラに行った時、大きなトラックに乗って、まる一日かけてようやく着いた。「その後、交通環境が改善され、幹線道路が舗装されたが、コルラまでは車でもまるまる8時間かかる。これからたった4時間で行けるようになるなんて、考えるだけで感動する」と、ルイムさんが言う。

 さらにルイムさんを感動させたのは、この列車でイタンブルク駅まで行けることだ。チャルクリク県イタンブルク鎮は、アルキン山南部に位置し、平均標高が3100メートル以上で、かつてルイムさんが8年間働いたところだ。「その時は、道はとても通りにくかった。県政府の所在地から車で町まで行くときは、うまくいってもおよそ8時間もかかっていた。道のないところはラクダや、馬に乗って行かないといけない」。遠いので、ルイムさんと同僚たちは3か月に1回しか家に帰らなかった。

 格庫鉄道の新疆区間は734キロで、そのうち300キロ近くがタクラマカン砂漠を抜ける。

 タクラマカン砂漠では、夏の地表温度はセ氏50度以上に達し、冬の夜は気温が氷点下20度以下まで下がる。昼夜の寒暖差は最高で30度以上にもなる。劣悪な気候は、工事用機械設備の安全運行にとっても試練になる。寒暖差の影響でレールが膨張と収縮を繰り返し、レールの隙間は最大12センチに達し、安全走行の課題となる。

 2018年4月19日に、格庫鉄道は予定工期より23日早くタクラマカン砂漠を抜けた。

 タクラマカン砂漠を抜けると、アルキン山が目の前に現れた。ここでは大量の「橋・トンネル合流」プロジェクトの実施が必要となった。それは、橋とトンネルをつなげるものだ。格庫鉄道の新疆区間の16本のトンネルのうちの15本、22基の特大の橋のうちの14基も、この区域にある。

 このような厳しい環境の中、2020年5月29日、格庫鉄道新疆区間のレールは順調にアルキン山トンネルを抜けた。そして、7月21日に、新彊区間のレールは青海区間のレールとうまく結ばれた。(c)People’s Daily/AFPBB News