【1月18日 People’s Daily】12月27日10時18分、復興号C2702番列車は新しくできた雄安駅を定刻で出発し、北京西駅へと向かった。3年かかって建設された全長91キロメートルの鉄道は、設計上の最高時速350キロメートルで北京と雄安地区を結ぶ。今後、北京西駅ー雄安新区間は最短50分まで短縮され、北京大興国際空港ー雄安地区は最速19分で到達できる。北京・天津(Tianjin)・河北(Hebei)を結ぶエリアは、ますます近くなった。

「26日に切符が売り出され、私はすぐ予約しました」と、北京在住であり河北省固安市(Gu'an)で授業をしている音楽教師の夏さんは語った。「前は地下鉄に乗ってシャトルバスに乗り換え、少なくとも2~3時間、だいたいは半日かかっていました。今は1時間もかかりませんから、本当に便利です」と夏さん。

 北京ー雄安都市間鉄道は高速での走行を実現しただけでなく、英知の結晶でもある。スマート化された高速鉄道の建設のため、その設計の中には多くのキーテクノロジーが盛り込まれ、全線で実現したスマート化イノベーションの成果は70にのぼる。「北京ー雄安都市間鉄道は初めて全線・全過程・全専門でBIM(建築情報モデリング)が応用され、設計・施工から全ライフサイクルの3Dデータ化のスマート管理までが実現されました」と、中国鉄路設計集団の劉為群(Liu Weiqun)会長が説明した。劉氏によれば、BIM技術によって、北京ー雄安都市間鉄道には鉄筋の自動加工や路盤のスマート転圧などが可能となった。

「今までは使う鉄筋の量や、コンクリート型枠の大きさは、現場に行かないと決められませんでした。それも精度が低かったり、原材料の無駄があったり、工期が遅れたりしていました」と、雄安高速鉄道有限会社の呉榃(Wu Tan)副社長は語った。現在はBIM技術を利用することにより、先に3D空間でバーチャルモデルを造り、自動化されたコンピューター自動制御生産ラインで鉄筋を造り、効率は25%も上昇したという。また、全ての鉄筋に二次元コードを付け、製造情報を追跡できるようにしてあり、施工の質も保証できるようになった。

 設計のデータ化は建造効率と施工の質を上げると同時に、環境への配慮を実現した。北京ー雄安都市間鉄道は鉄道建設において初めて基礎・橋脚・橋梁(きょうりょう)などの全てで完全組み立て式構造の設計と施工を行い、プラント設計技術と施工の質についての検収基準を形成した。これによって工事の効率を上げるだけでなく、土ぼこりや建築ごみ、汚水の排出を減らすことができた。また、雄安駅では屋根に設置されたソーラーパネルによって、30%電力の節約ができる。駐車場の間に設置された15メートルの「光の回廊」は、待合室の採光と風通しを改善するだけでなく、駅の照明に使う電力の節約にもなる。河北省覇州市(Bazhou)には「防音トンネル」が設置され、これによって列車の環境騒音は20デシベルまで削減できる。

 将来的に、雄安駅は北京ー香港ー(台湾)高速鉄道や北京ー雄安都市間鉄道、天津から雄安地区の都市間鉄道などが通る、交通の要衝として構想されているという。(c)People’s Daily/AFPBB News