【1月18日 AFP】セーリングで五輪の金メダルを獲得したギリシャの女子選手が、過去に連盟幹部から性的暴行を受けていたと告発した問題で、同国セーリング連盟(HSF)の幹部1人が辞任に追い込まれた。

 辞任したのは連盟副会長のアリスティディス・アダモプロス(Aristeidis Adamopoulos)氏で、連盟は選手の告発に「ショックを受けた」と話している。

 この問題では、2004年のアテネ五輪で金メダルを獲得したソフィア・ベカトル(Sofia Bekatorou、43)が、21歳のときに出場した2000年シドニー五輪の選考会の直後、ホテルの部屋で幹部から「セクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)と性的暴行」を受けたと明かした。

 するとこれがSNSで大きな話題となり、他競技の複数選手も性的被害を告白。ギリシャでも遅まきながら、数十年にわたって沈黙を強いられていた被害者たちによるセクハラ告発運動「#MeToo(私も)」が始まっていた。

 連盟は当初、ベカトルに詳しい情報を提供するよう求めていたが、アダモプロス氏の「辞任を即刻要求した」と発表。検察に対し、「われわれのオリンピアンが名前を挙げたとされる人物」がアダモプロス氏だったと述べた。

 HSFでは、すでに理事2人が連盟の姿勢に抗議して辞任している。HSFは今年選挙を予定している。

 ベカトルは今週にも検察に話をする予定だが、同選手らの被害は全て数十年前のため、裁判に発展する可能性はない。(c)AFP