【1月17日 AFP】サッカーフランス代表を率いるディディエ・デシャン(Didier Deschamps)監督が16日、2016年欧州選手権(UEFA Euro 2016)のメンバーから外されたカリム・ベンゼマ(Karim Benzema)が「フランスの一部の人種差別主義者」に屈したと自身を非難したことについて、「絶対に忘れない」と話した。

 デシャン監督は16日に出演した国内のラジオ番組で、この一件はつらい「汚点」だと話している。

 現在33歳で、代表戦81試合に出場しているベンゼマだが、2015年に元同僚マチュー・ヴァルブエナ(Mathieu Valbuena)を「セックステープ」を材料に恐喝した事件が明るみに出て以降、代表には招集されていない。検察は今月、ベンゼマを事件の共犯者として裁判にかけると話している。

 ベンゼマは代表落選後の2016年6月、スペインメディアに対して「デシャンはフランスの一部の人種差別主義者のプレッシャーに屈した」と話しており、その2日後、監督は自宅に「レイシスト」という落書きをされた。

 そのことについて、デシャン監督は仏RTLラジオのインタビューで「あれは汚点だ」と話した。

「時間がたって少し落ち着いたが、忘れられるわけじゃない。あれはカリム・ベンゼマだけの問題じゃない。他の者たちも発言し、それがあのような暴力的な行為につながって、私の家族が影響を受けている」

 フランス代表は、そのときの欧州選手権ではポルトガルに敗れて優勝を逃したが、2年後のW杯ロシア大会(2018 World Cup)では優勝を果たした。

 デシャン監督は、「監督としての選択」に対する批判は受け入れるとしたものの、「あれは一線を越えていた。私の名前や家族にまで影響している。個人的には受け入れられない」と話している。

「ある発言が、言葉での、あるいは物理的な暴力につながる。私はその被害に遭った。誰だって忘れられないし、私も忘れられない。絶対にだ」 (c)AFP