【1月18日 Xinhua News】フランス国立図書館と中国の西北民族大学(Northwest Minzu University)、上海古籍出版社が15年かけて共同編集した「フランス国立図書館所蔵敦煌チベット語文献」がこのほど、初めて完全な形で出版された。

 同書の編集責任者を務めた西北民族大学の才譲(ツァイラン)教授によると、文献は35冊からなり、文献の整理番号は3174に上る。高画質の写真や図版2万8千点余りも収録している。これら7~10世紀の古代チベット語文献には、仏教経典や歴史書、契約書、法律の条文、私信など多くの内容が含まれており、吐蕃(とばん)が敦煌を統治していた時代の社会・経済活動や民族・文化交流の歴史を反映している。

 敦煌莫高窟で1900年に発見された「敦煌文書」は5~6万点に及ぶ。うち、古代チベット語の文献は1万点以上あり、漢文文献に次ぐ量となっている。敦煌文書の多くは海外に流失し、主にフランスと英国、中国で保存されているが、チベット語文献はフランス国立図書館に集中している。

 今回影印出版された敦煌古代チベット語文献は、中国語とチベット語の2言語で改めて目録が作られた。才譲氏は、フランスで1970年代に同国にある敦煌古代チベット語文献の選集が出版されたことがあるが、整理番号順の完全版の刊行は今回が初めてであり、敦煌学やチベット学の研究を推進する役割を果たすと述べた。(c)Xinhua News/AFPBB News