【1月18日 Xinhua News】中国各地の都市が2020年の経済データ発表を始めている。これまでに合肥(Hefei)、南通(Nantong)、泉州(Quanzhou)、福州(Fuzhou)、西安(Xi'an)の5都市が域内総生産(GDP)1兆元(1元=約16円)超の「1兆元都市」の仲間入りをしたと正式に発表した。既存の17都市と合わせると、中国の1兆元都市は22都市に達する。

 経済情報サービスなどを手がける武漢博覧財経信息技術の李宏図(Li Hongtu)チーフエコノミストは、今回1兆元都市に加わった5都市のGDPは19年時点で1兆元に迫っていたが、GDPの正式な1兆元到達はそれぞれの都市にとって重要な節目となり、経済発展が新たな高みに達したことを示すと指摘した。

 19年の統計では、5都市に加え、東莞市(Dongguan)と済南市(Jinan)のGDPも9千億元台に乗っていた。これら2都市の20年のGDPはまだ公表されていない。業界関係者は2都市のGDPは早くて20年、遅くても21年に1兆元台に乗るとし、中国本土の21年のGDP1兆元都市はこのまま行けば24カ所に増えると予想した。

 李氏によると、GDP1兆元都市の多くはこれまで、一線都市(北京、上海、広州、深圳の4都市)と新一線都市(成都、重慶、杭州など15都市)が中心で、いずれも経済構造に占める3次産業のシェアが大きかった。20年の新しい顔ぶれには、工業や製造業を成長の原動力としているとの特徴が見られる。

 例えば合肥は①設備製造②家電③食品・農産物加工④フラットパネルディスプレー・電子情報⑤太陽光発電・新エネルギー⑥自動車・同部品の6産業を柱とする産業体系を形成、液晶パネル大手の京東方科技集団(BOE)や新興電気自動車(EV)メーカーの上海蔚来汽車(NIO)などのスター企業が進出している。

 泉州も製造業都市に属し、①繊維・アパレル②靴③建材・ホームファニシング④機械設備⑤石油化学工業──の五つの生産額1千億元の産業クラスターを形成している。

 李氏は、製造業の転換・高度化には大きな余地があると指摘。GDP1兆元都市への仲間入りで、より良い資源配分で地域経済の共同発展を促すことができるとし、今後は工業都市からさらに新しい顔ぶれが1兆元都市に加わると予測した。(c)Xinhua News/AFPBB News