【1月17日 Xinhua News】中国送電大手、国家電網傘下の国網江蘇省電力は15日、2020年の同省の社会全体電力消費量について、新型コロナウイルス感染症が電力需要に影響を与える中、前年比1・75%増の6374億キロワット時に達し、過去最高を更新したと発表した。経済が安定を保ちつつ前進しているという前向きなシグナルを示している。

 新型コロナウイルス感染症の影響で、同省の社会全体電力消費量は20年上半期(1~6月)に伸び率が鈍化。四半期ごとの伸び率は、第1四半期(1~3月)がマイナス13・2%、第2四半期(4~6月)が3・9%、第3四半期(7~9月)が5・7%、第4四半期(10~12月)が9・5%と、段階的な上昇傾向を示した。第4四半期は経済の安定的な回復と厳しい寒さの影響を受け、電力消費量が急激に伸び、12月の伸び率は13・7%だった。

 産業用電力消費量を見ると、20年は江蘇省(Jiangsu)の製造業31業種のうち20業種で増加し、太陽光発電設備・部品製造(211・4%増)や、新エネルギー車(NEV)製造(34・1%増)、通信設備製造(24・0%増)などが大幅に増加した。

 第3次産業のインターネットデータサービス(109・1%増)や充電・交換サービス(288・4%増)など、新興産業の電力消費量が急増。一方、既存のエネルギー多消費産業を代表する4業種(化学工業、鉄金属、非金属鉱物製品、非鉄金属)の電力消費量が社会全体に占める割合は18・3%で、15年から4・6ポイント低下した。

 国網江蘇省電力経済技術研究院エネルギー研究室の李琥(Li Hu)主任は「『十三五』(第13次5カ年計画、2016~20年)期間中、省内のエネルギー多消費産業の電力消費量の伸び率が鈍化し、第3次産業が電力消費量の伸びをけん引する重要な力となった。これは、省内の産業構造の調整と転換・高度化の勢いが盛んで、新興製造業の成長ポイントの掘り起こしがさらに進んでいることを示している」と述べた。(c)Xinhua News/AFPBB News