【1月16日 AFP】ダカールラリー(Dakar Rally 2021)は15日、最終第12ステージが行われ、四輪部門ではミニ(X-Raid MINI JCW Team)のステファン・ペテランセル(Stephane Peterhansel、フランス)が30年前の初優勝から数えて通算14度目の総合優勝を果たした。同選手はモータースポーツで最も過酷なレースとされるダカールで、これまで四輪部門を計8回、二輪部門を計6回制している。

「ミスター・ダカール(Mr Dakar)」こと55歳のペテランセルは、コ・ドライバーのエドゥアール・ブーランジェ(Edouard Boulanger)と一緒に、トヨタ・ガズーレーシング(Toyota Gazoo Racing)のナセル・アルアティア(Nasser Al-Attiyah、カタール)に13分51秒差をつけて総合優勝を飾った。今ステージを制したカルロス・サインツ(Carlos Sainz、スペイン)が同3位に入り、ミニ勢はもう一つの表彰台も確保した。

 ペテランセルはダカールでの勝利について、初優勝を飾った1991年のときと「同じ気持ち」に変わりないとしており、「ダカールで勝つことは常に複雑だ」とすると、「ダカールでは簡単な勝利といえるものは何もない。外から見れば今回の勝利はたやすいものに見えるかもしれないが、毎日ナセルとのわずかな差を維持するのは簡単ではなかった」と語った。

 さらに、勝利の要因は経験と冷静さを維持できたことだと分析し、「一番のお気に入りは二輪部門での初勝利だ。なぜなら、ずっと夢に描いてきたものだからだ。今では優勝はボーナスだ。勝つことは常に感情が高ぶるが、初勝利は最高だ」と話した。

 二輪部門では、ホンダ(Monster Energy Honda)のケビン・ベナバイズ(Kevin Benavides、アルゼンチン)が総合優勝を果たした。前年王者のリッキー・ブラベック(Ricky Brabec、米国)が4分56秒差で同2位に入り、ホンダ勢が1987年以来のワンツーフィニッシュ。レッドブルKTM(Red Bull KTM)のバイクを駆るサム・サンダーランド(Sam Sunderland、英国)は同3位だった。

 第5ステージではヘルメットが粉々になるクラッシュに遭遇して鼻を骨折したベナバイズは、二輪部門を制した初の南米選手となったことについて、「まったく信じられない」とすると、「110パーセントの力を出して、それが本当になった。ダカールで勝ったんだ。本当に、すごくハッピーだ! ミスを犯したのは確かだけれど、完璧なダカールなんて不可能だと思う」と語った。そして、大切なのは常に冷静さを保ち、日々集中して懸命に仕事に励むことだと話した。(c)AFP/Boris DESCARGUES