【1月16日 AFP】世界保健機関(WHO)が招集した緊急委員会は15日、各国で確認されている新型コロナウイルスの変異株への対策として、ウイルスの遺伝子配列解析を世界で強化するよう呼び掛けた。

 委員会は、従来株より感染力が強いとされる変異株についての緊急会合のため、予定より2週間早く招集された。委員会はさらに、入国者に新型ウイルスのワクチン接種証明の提示を義務付ける措置に反対する立場を表明した。

 富裕国によるワクチン買い占めの懸念が浮上していることを受け、WHOは100日後までに全ての国でワクチン接種が始まることを望むと表明。欧州やアフリカ、南北米大陸の一部の国で起きている感染者の急増については、新たな変異株が出現したことだけではなく、感染の連鎖を断ち切れなかったことが原因だと指摘した。

 最近確認された変異株を特定する唯一の方法は遺伝子配列の解析だが、それが可能なのは一部の国に限られる。

 WHOはオンラインで開かれた会合後に出した声明で、「(委員会は)変異株について、遺伝子配列の特定とデータ共有の世界的拡大に加え、重大な未知の事態に対処するためのより一層の科学的協力を求めた」と発表。委員会はさらにWHOに対し、風評被害を防ぐため、新たな変異株について地理的・政治的に中立な命名法を考案するよう要請した。(c)AFP/Robin MILLARD