【1月15日 AFP】中米ホンジュラスで、新たな移民集団(キャラバン)が誕生している。ジョー・バイデン(Joe Biden)次期政権でのより良い生活を期待し、グアテマラとメキシコを経由し、数千キロもの距離を歩いて米国を目指そうとしている。

 約300人からなる第一陣は14日早朝、北西に100キロほど離れたグアテマラ国境の町コリント(Corinto)に向け、ホンジュラス第2の都市サンペドロスラ(San Pedro Sula)を出発した。

 ソーシャルメディアによると、これとは別に約3000人が14日夜、サンペドロスラに集まり、コリントや約260キロ離れたアグアカリエンテ(Agua Caliente)など国境の町を目指し、歩き始めた。

 移民らは、貧困や失業、ギャングや麻薬組織による暴力の他、昨年11月に上陸したハリケーンなどの被害から逃れるためだと話す。

 ホンジュラス政府は、キャラバンを監視するためグアテマラ国境に警官7000人を出動させている。

 米税関・国境警備局(CBP)のマーク・モーガン(Mark Morgan)局長代行は先週の発表で、キャラバンに「時間と金を無駄に」しないよう警告した。「危険な旅により自分の身だけではなく、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を拡散する可能性があることから、米国と周辺地域の人々の命と健康も危険にさらすことになる」

 バイデン氏は「公正で人道的な移民制度」を約束し、中米の人々を米国へ向かわせる根本的原因となっている貧困と暴力の問題に取り組むと表明している。

 一方ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領は、バラク・オバマ(Barack Obama)前大統領による7億5000万ドル(約780億円)の支援を撤回した。また同氏は、メキシコから到着した移民は、麻薬などの犯罪を米国に持ち込む「レイプ犯」だと述べている。(c)AFP/Orlando Sierra