【1月16日 Xinhua News】中国安徽省(Anhui)合肥市(Hefei)蜀山区の西園街道では、地域の高齢者向けにスマートフォン教室を開いている。劉麗(Liu Li)さん(40)が昨年8月、高齢者らを「デジタル孤立」から救い出すために始めた。

 劉さんは10年以上前から高齢者支援に携わってきたが、ここ数年はオンライン予約やモバイル決済、交通機関のタッチ乗車など社会のデジタル化に付いていけず、困っている高齢者が増えていることに気付いたという。

 中国の60歳以上の高齢者は2019年末時点で2億5400万人となり、総人口に占める割合は18・1%に上った。一方、中国のネットユーザーは20年6月時点で9億4千万人だったが、60歳以上はわずか10・3%で、1億5千万人以上の高齢者がインターネットに「未接続」ということが分かっている。

 劉さんの教室は、高齢者が実際に困っていることを中心に授業を進めている。教室での座学のほか、地下鉄駅や病院、公園、商店に場を移した「実技」にも力を入れている。劉さんは「実践が第一。実際にその場に連れて行き、手を動かしてもらうことが必要」と話す。生徒はここ数カ月で十数人から60人以上に増えた。最年少は60代、最年長は90歳を超える。

 中国政府もこうした「デジタルデバイド(情報格差)」を補うための解決策を打ち出した。工業・情報化部が昨年12月に公布した「インターネット応用の高齢者対応とバリアフリー化のための特別行動計画」では、21年1月から1年間、ホームページやアプリを高齢者が使いやすい仕様に改善するなどの措置を全国規模で展開するとしている。(c)Xinhua News/AFPBB News