【1月15日 AFP】世界最大の宗教行事「クンブメーラ(Kumbh Mela)」が始まったインド北部ウッタラカンド(Uttarakhand)州で14日、数十万人のヒンズー教の巡礼者がガンジス(Ganges)川で沐浴(もくよく)した。

 今年の開催地であるハリドワール(Haridwar)には巡礼初日の14日、最大100万人が集まったとみられている。インドの新型コロナウイルス感染者は世界で2番目に多く1000万人以上、死者は15万人を超えている。だが巡礼者らは、新型コロナの流行から身を守るのはマスクよりも信仰だと信じているようだ。

 警察幹部によると、14日の人出は50万〜100万人の見込みで、数千人の治安部隊を配置し、マスク着用を呼びかけている。新型コロナ感染防止策に従わなかった場合、罰金が科されるという。

 主催者のシッダールト・チャクラパニ(Siddharth Chakrapani)氏は、「新型コロナの流行は少し心配だが、私たちはすべての対策を講じている」と述べた。

「母なるガンジス川が、巡礼者の身の安全を守ってくれると確信している」

 ヒンズー教の神話では、神々と悪魔が不老不死の薬が入った聖なる杯を奪い合った際、滴が4か所に落ちた。この4か所が現在、クンブメーラの開催地となっている。

 クンブメーラは、国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)の無形文化遺産(Intangible Cultural Heritage of Humanity)に登録されている。前回は2019年に、北部ウッタルプラデシュ(Uttar Pradesh)州アラハバード(Allahabad)で開催され、48日間で約5500万人の人出があった。

 今年の開催地ハリドワールには、7週間で数千万人が訪れるとみられる。(c)AFP/Aishwarya KUMAR