英国に不吉な予兆? 国の命運握るロンドン塔のカラス1羽が行方不明
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【1月15日 AFP】英ロンドン塔(Tower of London)は14日、飼育しているカラス1羽が行方不明になり、死んだ恐れがあると発表した。英国には、ロンドン塔にカラスが6羽そろっていないと国が崩壊するという伝承がある。
「非常に悲しいお知らせがあります」。ロンドン塔はオンラインで声明を発表し、「私たちのいとおしいカラス、メリーナの姿がここ数週間見当たりません。長く不在が続いていることから、残念ながら死んでしまったのかもしれません」と説明した。
国の命運を握るカラスについては、いかなる時も塔に6羽そろえておくよう義務付ける勅令が17世紀に出されている。
折しも英国は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)と欧州連合(EU)からの離脱(ブレグジット、Brexit)で、すでに打ちのめされている。
だが、ロンドン塔の護衛兵ヨーマン・ウォーダー(Yeoman Warder)の一人でカラスの飼育係「レイヴンマスター(Ravenmaster)」を務めるクリス・スカイフ(Chris Skaife)氏は、心配する国民に「今のところは」安泰だと請け合った。
スカイフ氏はBBCラジオ(BBC Radio)に「もちろん、レイヴンマスターとして私は王国のことを案じている」と述べた上で、「ただ、ロンドン塔には今なお7羽のカラスがいる。勅令による6羽に加えて、まだ予備の1羽が残っている。だから、今のところは大丈夫だ」と語った。(c)AFP/James PHEBY