【1月14日 AFP】ウエットティッシュやトイレットペーパーなど衛生用品を手掛けるエシティ(Essity)が、フランス支社の従業員に、職場内のソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)の規則を破ると警報を鳴らす装置を携帯するよう指示したことが、物議を醸している。

 同社の労働組合代表によると、機器を携帯している従業員同士が近づきすぎた場合、85デシベルの警報を鳴らすという。これは、芝刈り機の音とほぼ同じ大きさだ。

 警報器は、エシティのフランス支社で試験運用される予定。エシティは手洗い用せっけんやティッシュペーパー、生理用品などを生産するスウェーデン企業。

 フランス民主労働連盟(CFDT)は装置について、「犬をほえないようにしつけるようなやり方」であり、従業員にとってストレスとなり、「子ども扱い」されていると感じるだろうと非難した。

 エシティ本社の広報担当者はAFPに対し「フランスで試験導入するだけだ」と話した。

 従業員らは、装置は自身の安全を守るもので、社内の食堂やトイレ、医務室では作動しないと説明を受けた。

 エシティは、装置は個人を認識するものではなく、居場所を特定する機能もないとしている。(c)AFP