2021.01.19

CARS

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【ジャガーIペイスHSE 長期リポート #番外篇01 】スタッドレスタイヤを履きスノー・ロードへ

インスタント食品に毛布に携帯トイレ。大雪のためEVで立ち往生という最悪の事態も想定し、荷室を満載にした89号車は2020年最後の週末、北へ向かった。


89号車、ジャガーIペイスの走行距離がリポート開始以来、1万kmを突破した。いままで様々なクルマをリポートしてきたが、半年で1万kmはなかなかのハイペースだ。以前ジャガー・ランドローバー・ジャパンのマーケティング広報部に在籍する藤井崇史さんに教えてもらったのだが、89号車のオドメーターの数字は、日本国内のIペイスの中でもかなり上位のほうにいるらしい。


一気に数字が進んだのは、長野と新潟の県境までスノー・ドライブに出かけたからだ。きっかけは、ジャガー・ジャパンの公式HP。降雪シーズンに向け、ジャガー各車に適合するスタッドレスタイヤ&ホイールがお得に入手できる「WINTER TYRES & WHEELS CAMPAIGN」がはじまっていたのである。


「WINTER TYRES & WHEELS CAMPAIGN」の対象車種はXE、XF、XJ、Eペイス、FペイスおよびFペイスSVRと、IペイスにFタイプ。1月31日までの期間限定。タイヤ&ホイールの4本セットで購入の場合はジャガー・ロゴ入りのヘリテージ・マフラーが先着100名にプレゼントされる。

このキャンペーンで用意されているのは17〜21インチまでのジャガー純正ホイールと、コンチネンタル・ヴァイキング・コンタクト7およびノキアンタイヤ・ハッカペリッタR3 SUVという2種類のスタッドレスタイヤだ。タイヤ&ホイールのセット限定ではなく、タイヤを単体で購入し、履き替える場合も適応される。


スタッドレスタイヤのみ購入の場合はジャガーロゴ入りの赤いトラベル・セラミック・マグカップが先着100名に。またタイヤメーカーの2社のロゴ入りブランケットももらえる。さらにノキアンタイヤの場合は専用サイトにレビューを投稿すると抽選で100名にAmazonギフト券(3000円相当)が当たるキャンペーンも実施中。詳しくはhttps://abeshokai.jpまで。

Iペイスの場合、設定のあるのはノキアンタイヤだ。18インチホイール4本とのセットが通常49万9620万円のところ40万840円に、20インチホイール4本とのセットが73万1500円のところ、60万1480円になる。スタッドレスタイヤ単体の場合は前者が12万8040円、後者が17万5560円(すべて税込・取り外し&取り付け工賃は別途要)だ。そこで89号車は現在履いている20インチ・ホイールをそのまま使用し、タイヤのみ約2万km走ったグッドイヤー・イーグルF1からノキアンタイヤへ履き替えることにした。


ノキアンタイヤは北欧フィンランドを拠点とし、その起源は1898年。120年以上の歴史を誇るタイヤ・メーカーだ。1934年には世界初の冬用タイヤを発表している。 
ハッカペリッタR3 SUVはノキアンタイヤのSUV用ウインター・タイヤで、16〜22インチまで全83サイズをラインナップ。サイド・ウォールにアラミド繊維を採用しているのが特徴で、雪道で見えにくなって乗り上げることの多いタイヤ止めやキャッツアイを踏んでも、パンクしにくい構造になっているという。

ジャガーの一部ディーラーではユーザーのタイヤ&ホイールをシーズン毎に保管する“タイヤホテル”サービスを実施している。また、タイヤをスタッドレスに変更する場合はAdSR(アダプティブ・サーフェス・レスポンス=すべての速度域で路面状況に応じブレーキとモーターを調整し最適なグリップをもたらす電子制御プログラム)の再セッティングも必要になる。そこで89号車もこのサービスを利用し夏用のグッドイヤーを預け、交換のため3日ほど工場入りすることになった。


センター・コンソール左側の上下ボタンで切り替えるIペイスの走行モードはエコ、コンフォート、ダイナミック、そして雪や氷、泥や砂などの道に対応するAdSRの4種類。

ところがそんな準備をしているさなか、関越自動車道の大雪による大量車両の立ち往生が発生。幸いEVで巻き込まれた人はいなかったようだが、もし立ち往生して電力不足に陥ったら……と考えたEVオーナーは少なくないはずだ。


これほど大規模かつ長時間の立ち往生は珍しいが、この季節、降雪による通行止めは珍しいことではない。そこで万一雪に閉じ込められた場合に備え、魔法瓶、インスタント食品、毛布、携帯トイレといったサバイバル・キット一式を準備するともに、走行モードは基本的に電力消費が抑えられるエコのみに限定。ルートや充電場所も徹底的に吟味した。


最終的に決まったのは、東京をスタートし、関越自動車道、上信越自動車道を使って妙高高原IC近隣のスキー場の周囲を走るルートだ。この道のりなら、たとえ急に大雪になっても、それなりの交通量があるから除雪車の稼働が見込める。上信越自動道に新井スマートICがあることも、決定打になった。ここは一般道から高速へアクセスが可能な上に、商業施設やホテル、急速充電施設も備わる「道の駅あらい」が隣接している。EVにとっては、まさにオアシスのような場所だ。


準備を整え、早朝に東京を出発。目的地近辺の天気予報は、雨のち雪、とやや不穏だが、埼玉、群馬を越え、長野に入っても、遠い山の嶺にしか雪の姿は見当たらない。道もガラガラだ。


以前、冬のスウェーデンでノキアンタイヤのスパイクタイヤは経験したことがあったけれど、ドライの舗装路で普通のスタッドレスタイヤを試すのははじめてだ。あの時はマイナス10℃の氷上でも自由自在にコントロールできる圧倒的なグリップ力に舌を巻いたけれど、89号車に装着したハッカペリッタR3 SUVは、穏やかに路面の凹凸をいなす快適性重視の仕立てのようだ。ただ、そのいっぽうで、コーナーで速度を上げてもブロックのよじれが伝わってこない、しっかりした剛性感も兼ね備えている。ロード・ノイズだけはEVゆえはっきり大きく耳につくが、法定速度で走っている分には、グッドイヤー・イーグルF1と大きな差はないと思った。


ノキアンタイヤ・ハッカペリッタR3 SUVは20インチ以上になるとスピードレンジ190km/hへの対応サイズが増えるが、Iペイスの装着した245/50R20は170km/hまで。中央の数字はそれぞれ溝の深さを示しており、数字が消えていくことで摩耗の度合いを知らせる。

食事と充電で3回休憩し、野尻湖近くまで北上すると、あたりの様子が急変した。小さな粉雪がみるみるうちに大きなボタ雪となり、トンネルを抜ける度にどんどん周囲が白くなっていく。スキー場の積雪情報を見ていると、ちょうど志賀高原と妙高山の間に位置するこのあたりで、雪の量が一気に増えていた。ようやくたどり付いた妙高高原ICは、まさに吹雪のまっただ中だった。


■89号車/ジャガーIペイスHSE
JAGUAR I-PACE HSE
新車価格 1183万円(OP込1365万9000円)
導入時期 2020年6月
走行距離 2万1651km(スタート時1万809km)


文=上田純一郎(ENGINE編集部) 写真=山田真人


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