【1月13日 AFP】アルジェリアで、ベルベル(Berber)人にとっての新年を前に古代エジプト王(ファラオ)の像が設置され、この王の出自をめぐりアルジェリアとエジプトのSNS上で物議を醸している。

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 現地報道によると、ベルベル人が多く暮らすアルジェリア北部の山岳地帯カビリー(Kabylie)地方にある町ティジウズー(Tizi Ouzou)では8日、自治体が2人の若手芸術家に制作を依頼した古代エジプト王・シェションク1世(Sheshonq I)の高さ4メートル超の像が公開された。同王はベルベル人の血を引いているといわれ、ベルベル語では「シャシナク(Chachnaq)」と呼ばれている。

 ツイッター(Twitter)ではアルジェリア、エジプト両国のユーザーの間で「シャシナクはエジプト人」というハッシュタグがトレンド入りし、シェションク1世の歴史はベルベル人の居住地域である北アフリカのマグレブ(Maghreb)地方ではなく、古代エジプトに属するものだとの意見が上がった。

 歴史家のフアド・スフィ(Fouad Soufi)氏はAFPに対し、シェションク1世は「歴代ファラオの中でも傑出した将軍の一人」だったと説明。出自はベルベル人と考えられているが、「完全にエジプト化し、パレスチナを目指した」と述べた。

 ベルベル人活動家らは、シェションク1世が即位したとされる紀元前950年1月12日にちなんで、この日付を一年の始まりとしている。(c)AFP