【1月13日 AFP】インドネシアのジョコ・ウィドド(Joko Widodo)大統領(59)は13日、同国で最初に新型コロナウイルスワクチンの接種を受けた。

 首都ジャカルタの大統領府で行われたワクチン接種は、テレビで生中継された。大統領の他に、保健相や政府高官、財界・宗教界の指導者が接種を受けた。

 ジョコ大統領は接種後、「何ともなかった」と笑いながら感想を述べた。今回の接種は1回目で、2回目は後日行われる予定。

 インドネシア当局は今週、中国製薬大手シノバック・バイオテック(Sinovac Biotech)が開発した新型コロナウイルスワクチンを承認した。インドネシアで行われた治験での有効性は65.3%と比較的低かった。

 また、イスラム教徒が大半を占めるインドネシアでは、ワクチン接種に懐疑的な人向けに、国内最大の宗教団体がワクチンはイスラムの戒律にのっとった「ハラル」であると認めた。

 ワクチン接種は医療従事者とリスクが高い人が優先で、今後1年3か月で約1億8200万人の接種を目指している。

 インドネシアは、英アストラゼネカ(AstraZeneca)や米ファイザー(Pfizer)、中国の「中国医薬集団(シノファーム、Sinopharm)」など、複数の製薬会社のワクチン約3億3000万回分を既に確保している。

 インドネシアの新型ウイルスの累計感染者数は約85万人、累計死者数は約2万5000人とされているが、検査数が少ないことから、実数ははるかに多いと考えられている。(c)AFP