【1月13日 AFP】ダカールラリー(Dakar Rally 2021)は12日、第9ステージが行われ、二輪部門で総合優勝を2回経験しているレッドブルKTM(Red Bull KTM)のトビー・プライス(Toby Price、オーストラリア)が、クラッシュによりリタイアする事故が大会に暗い影を落とした。

 ホンダ(Monster Energy Honda)のホセ・イグナシオ・コルネホ(Jose Ignacio Cornejo Florimo、チリ)と約1分差の総合2位で今ステージを走り出したプライスは、実質的にトップを奪い、勝利に向けてさらにギアを上げているように見えたところで転倒。頭を打ってめまいを起こし、さらに左腕と左肩を痛め、空路で病院へ緊急搬送された。

 同じ二輪部門で戦うホンダのリッキー・ブラベック(Ricky Brabec、米国)は、「トビーは転倒して腕をひどく痛めた。僕が着いたときは、自分がどこにいるかも分かっていない様子だったから、医師が到着するまで一緒に待つことにした」と話した。

 ステージはホンダのケビン・ベナバイズ(Kevin Benavides、アルゼンチン)が優勝し、総合ではイグナシオ・コルネホがベナバイズに11分24秒差、レッドブルKTM(Red Bull KTM)のサム・サンダーランド(Sam Sunderland、英国)に14分34秒差をつけてトップを守っている。

 四輪部門では、首位に立つミニ(X-Raid MINI JCW Team)のステファン・ペテランセル(Stephane Peterhansel、フランス)が今大会ステージ初勝利を挙げ、14回目の総合優勝へ大きく前進した。

 ネオム(Neom)を出発し、紅海(Red Sea)を見下ろす砂漠の道を進むステージを制したペテランセルは2位以下に18分近い差をつけ、トロフィーに片手をかけている。

 四輪部門の前回王者であるミニのカルロス・サインツ(Carlos Sainz、スペイン)は、パンクとブレーキの故障でこの日だけでペテランセルに22分差をつけられた。

 最も過酷なモーターレースと言われるダカールは、今年も残すところ3ステージとなり、15日にジッダ(Jeddah)で幕を閉じる。(c)AFP