【1月12日 AFP】タイで、マハ・ワチラロンコン(Maha Vajiralongkorn)国王が複数の刑務所を慰問し、配偶者と共に床掃除をするなどの画像が公開された。抗議デモで前例のない王室批判が行われていることを受け、イメージアップ作戦の一環とみられる。

 同国でタブーとされてきた王室の改革を訴える学生主導の運動が続く中、王族はここ数か月、公の場に姿を現すことが増えている。

 王室は、国王と配偶者のシニーナート・ウォンワチラーパック(Sineenat Wongvajirapakdi)さん(35)が、ジーンズにポロシャツ姿で過去2か月間に複数の刑務所を訪れる様子を収めた画像を公開。

 国王はシニーナートさんに、受刑者らの健康管理計画の監督役を任せ、公務の幅を広げた。

 シニーナートさんは2019年7月、「チャオクンプラ(配偶者)」という100年近く誰にも与えられていなかった称号を得たものの、3か月後には国王への「不実」と、スティダー王妃(Queen Suthida)と同様の地位を求める「野心」を理由に称号と軍の階級を剥奪されていた。しかし国王は昨年9月、この称号を復活させている。

 タイでは厳格な不敬罪により、王族が批判から守られている。学生運動の要求のうち、最大の物議を醸しているものの一つが、同法の廃止だ。活動家らはさらに、絶大な権力と莫大(ばくだい)な財産を持つ国王に、不安定な国政に関与しないよう求めている。(c)AFP