【1月12日 AFP】米自動車大手フォード・モーター(Ford Motor)は11日、ブラジルにある工場3か所を年内に閉鎖すると発表した。新型コロナウイルスの流行により、すでに不調だった南米での自動車販売が悪化した。

 米ブルームバーグニュース(Bloomberg News)によると、工場閉鎖により約5000人の従業員が影響を受ける。フォードは工場閉鎖に伴い、約41億ドル(約4300億円)の一時費用が発生すると明らかにした。

 フォード・ブラジル(Ford Brazil)は「新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行) によって、長年大きな損失をもたらしてきた業界の生産能力の余剰と販売低迷が悪化したため」、2021年中にカマカリ(Camacari)、タウバテ(Taubate)の各工場と、オリゾンテ(Horizonte)にあるフォード傘下ブランド「トロラー(Troller)」の工場での生産を停止すると発表した。

 フォードのジム・ファーレイ(Jim Farley)最高経営責任者(CEO)は「南米とブラジルで100年以上にわたり事業を展開してきたわが社にとって今回の行動は、健全で持続可能な事業環境をつくり出すための非常に難しい、しかし必要なものだと考えている」と述べた。

 ブラジル自動車販売業者連盟(Fenabrave)の先週の発表によると、2020年の新車販売台数は、コロナ流行の影響で26%余り減少した。また乗用車販売台数は28.57%、バス販売台数は33%減少した。

 フォードは今後、南米ではアルゼンチンやウルグアイなど他の市場から自動車を調達し、事業を継続するとしている。

 また、ブラジル北東部バイア(Bahia)州にある製品開発センター、サンパウロ(Sao Paulo)にある性能試験場と地域拠点は維持する。

 カマカリとタウバテ工場での生産は即時停止されるが、一部部品の生産は数か月継続される。オリゾンテにあるトロラー工場は今年第4四半期まで稼働する。(c)AFP