【1月12日 AFP】石川恭子(Kyoko Ishikawa)さん(51)は過去30年間、すべての夏季五輪に足を運び、笛を吹き、旗を振り続けてきた。自分の住む東京で開催される大会を見逃すことなどありえない。

 新型コロナウイルスの感染拡大や大会費用の急騰で、今年は開催すべきでないと考える日本人が多いなか、石川さんは世界をおもてなしする日が待ちきれない。

 日の丸の飾りが付いた伝統的な衣装や鉢巻きを身に着け、さまざまな五輪会場でおなじみの顔となっている石川さんは「オリンピックって驚くことばかり」と笑う。

「ダイバーシティー(多様性)の力、ダイバーシティーのエネルギーかな。オリンピックってせいぜい3週間。そんな短期間でも全世界がひとつになる姿が見られる」と、石川さんはAFPに語った。

 日本は新型コロナ流行の第3波に苦しみ、菅義偉(Yoshihide Suga)首相は1都3県を対象に緊急事態を1月7日に再宣言。NHKが実施した最近の世論調査では、1年延期された東京五輪の再延期または完全な中止を求め、国民の大多数が今年の開催に反対している。

 しかし4年に一度、熱狂的な五輪のスーパーファンに変身するIT企業社長の石川さん。彼女の心は揺るがない。