【1月12日 AFP】米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)のニューイングランド・ペイトリオッツ(New England Patriots)を率いるビル・ベリチック(Bill Belichick)ヘッドコーチ(HC)は11日、ワシントンの連邦議会議事堂で発生した6日の「悲劇的」な暴動事件を受け、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領から今週授与されるはずだった自由勲章(Presidential Medal of Freedom)を辞退すると明らかにした。

 ペイトリオッツを通算6度のスーパーボウル(Super Bowl)制覇に導いているベリチックHCは、米市民にとって最高の栄誉である同勲章について「光栄である」としながらも、受け取らないことに決めたとして、「先日、自由勲章を受け取る機会を提示され、その栄誉が示すことへの敬意と歴代受賞者への称賛から光栄に思った」としたものの、「それと同時に、先週起きた悲劇的な出来事で、受勲辞退を決断した」とのコメント文を発表した。

 接戦となった2016年の大統領選においてトランプ氏が読み上げた書簡で、同氏を「究極の競争者でファイター」と呼ぶなど、ベリチックHCはトランプ支持者として知られてきた。しかし、今回は「まず何よりも、私は米国の価値観、自由、そして民主主義をこよなく崇拝する米市民だ」と強調した。

 さらに、その素晴らしいキャリアで最も報われたと感じた出来事は、チーム内で「社会的正義、平等、そして人権について」の話し合いが起きたことだといい、「今後もこうした努力を続けていきながら、人々やチーム、そして愛する国への忠誠を維持していくことが、個人の勲章のいかなる利益も上回る」と述べた。(c)AFP