【1月12日 AFP】中国・新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)でウイグル人の強制労働への関与が疑われる商品について、英国が輸入禁止を発表する見通しとなった。英中関係のさらなる悪化は必至だ。英メディアが11日、報じた。

 英紙ガーディアン(Guardian)と大衆紙サン(Sun)によると、ドミニク・ラーブ(Dominic Raab)外相が今週、輸入を禁止する新規則を発表する見通し。法案には、ウイグル人の弾圧に使われる恐れのある商品や技術の輸出管理の厳格化も含まれている。

 英国が中国による香港民主派の弾圧を非難し、香港人の英市民権取得を容易にする方針を発表したことなどを受けて、英中関係はこの2年間で徐々に悪化している。

 英国はさらに、ウイグル人が綿花の収穫に強制動員されていることを「非常に憂慮すべき」として、新疆でのウイグル人の扱いを非難した。中国政府は、強制労働の疑いを否定している。

 英国政府は、輸入品が新疆産かどうかについて、同国の繊維業界が十分な検査をしていないと懸念している。新彊産の綿は、世界の生産量の4分の1近くを占めている。

 ガーディアン紙によると、ラーブ氏の新規則では、企業が自社のサプライチェーンの検査で相当な注意義務を果たさなかった場合、罰金も科される。

 サン紙によると、同規則は、新疆の「再教育施設」や不妊手術の強要に関与している中国当局者への制裁には至らないとみられる。(c)AFP