【1月12日 People’s Daily】「古代の貨幣はこんなふうに変わってきたんだな!」 「書画家の文徵明(Wen Zhengming)も小さい頃は字が下手だったのか」

 中国江蘇省(Jiangsu)蘇州市(Suzhou)呉中博物館で最近開催された「博物館教育の夜」のイベントを通して、小学校四年生の陳文(Chen Wen)さんが多くの歴史の知識や有名人の物語を学んだ。2時間余りの活動の中で、300人近くの小学生がグループに分かれて展示室の宝探しや、記念貨幣の作成、文化財のジグソーパズルゲーム、博物館講座などに参加し、手と脳を同時に動かせるふれあい体験の中で呉の文化の中身の体験学習をした。

 呉中博物館は2020年6月に正式に開館し、「高レベル、特色のある文化的複合体」と位置付けられた。開館以来、数回の夜の催し、芸術家による伝習授業、学術講座活動を企画・実施し、市民に多彩な文化体験の機会を提供した。

「第13次5か年計画」以来、中国は平均2日に1軒ペースで博物館を新設し、世界で博物館事業発展が最も速い国の一つとなっている。2019年までに、全国の登録博物館は5535軒で、2015年より18%増加した。博物館公共文化サービスの安価で公正な提供体系は基本的に構築され、博物館の無料開放率は85.5%から89.1%に上昇した。博物館の資源はさらに末端組織にまで広がり、全国の76%の県市区に博物館が建設され、施設の環境は改善されつつある。

 河北(Hebei)出身の青年の温晴(Wen Qing)氏は文博愛好家の一人だ。ここ数年、多くの高水準の博物館が新しくオープンした印象だと彼は言う。山西青銅博物館が2019年7月に開館して以来、温氏はすでに4回見学に行った。館内のコレクションが多く、展示環境が良い他、高品質の特別展も彼が何度も引きつけられている理由の1つだ。今年9月「漢東大国——歴代曽侯墓出土文物名品展」が同館で開催された。「湖北の曾国と山西の晋国は、どちらも西周初期の封国です。数千年の時を超え、曾国と晋国の青銅器の珍品の同一博物館での同時展示は、とても見応えがあります。」と温氏は語る。

 近年新設された博物館の中でも、大学博物館は欠かせない存在となっている。清華大学芸術博物館、浙江大学芸術・考古博物館などは、開館後まもなく「ネット上での人気者」になった。清華大学芸術博物館は2016年9月の開館以来、すでに67回の展示を開催した。そのうち、国際交流展は24回、毎年、重要な展示会を実施。「同館は学校の教師・生徒や、一般市民に向けた開放的な芸術プラットフォームとして、学術性、思想性、芸術性を兼ね備えた一連の公共教育活動を行った。

 統計によると、2019年に全国の博物館で開催された展覧会は2.86万回、教育活動は33.46万回、接待した観客数は12.27億人で、それぞれ2015年比で43%、67%、75%増加した。博物館の観客の未成年者の割合は20%を超え、小中学生の博物館の利用見学のための長期効果の仕組みが次第に整備され、203軒の博物館は教育部の全国小中学生見学実践教育基地に組みこまれた。

 現在の中国では、博物館はすでに重要な公共文化空間と社会教育プラットフォームとなっている。今後さらに多くの人が博物館を訪れ、博物館で歴史の重厚さと文明の多彩さを実感し、素晴らしい文化体験ができることが期待されている。(c)People’s Daily/AFPBB News