【1月12日 AFP】中国はちょうど1年前の11日、武漢(Wuhan)で新たなウイルスによる初の死者を発表した。あれから12か月、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による死者は世界各地で増え続け、その数は190万人を超えた。

 しかし感染拡大が始まった武漢では、新型ウイルスは封じ込められている。何事もなく迎えた11日、通勤者らは自由に移動し、公園や川沿いの遊歩道は歩行者らでにぎわった。人口1100万人の同市は、同ウイルスの「爆心地」というレッテルを拭い去ろうと決意している。

 まだ症例報告が少なかった2020年1月11日、中国は未確認のウイルスによる初の死者が出たと認めた。亡くなったのは、初期段階で多くの感染者が関係していたことで知られる生鮮市場の常連の男性(61)だった。

 返り咲いた武漢は今、その復活を誇りにしている。ある住民は同日「今武漢は、中国、そして世界全体で見ても最も安全な都市だ」とAFPに語った。大勢が集う公園では、朝日の下でペアになって踊る人々の姿が見られたが、マスク着用者は数人だった。

 11日には国内の新規感染者数が、河北(Hebei)省を中心に昨年7月以来最多の103人に上ったと報告された。中国当局は、局地的に見られる感染拡大の阻止に動いている。規制強化に伴い、来月の春節(旧正月、Lunar New Year)休暇に多くの人が計画している旅行に悪影響が出るのではないかという懸念が高まっている。

 とはいえ1日当たりの感染者数で見ると、米英や多くの欧州諸国に比べるとほんのわずかにとどまっている。また死者数は、中国の公式統計では4634人とされている。

 映像前半は武漢市内の駅で、後半は同市内の公園で11日撮影。(c)AFP/Leo RAMIREZ