【1月12日 AFP】欧州プロクラブラグビー(EPCR)は11日、フランス政府が同国チームを大会に参加させるのはリスクが高すぎるとの懸念を示したことを受けて、ヨーロピアンラグビーチャンピオンズカップ(2020-21 European Rugby Champions Cup)と下部大会にあたるヨーロピアンラグビーチャレンジカップ(2020-21 European Rugby Challenge Cup)を中断すると明らかにした。

 仏政府は国内トップリーグのトップ14を運営するLNRに対し、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的な大流行)を理由に、「少なくとも2月」になるまでクラブの欧州大会出場を見合わせるように指示する書簡を出した。同国のスポーツ省は、来月6日に開幕する予定のシックスネーションズ(Six Nations Rugby 2021)に関して、12日に会議を開くとしている。

 EPCRはコメント文で、「今回の指示の下、EPCRはチャンピオンズカップのプールステージとチャレンジカップの予選ステージを中断せざるを得なかった」と説明。現在、英国では新型コロナウイルスの変異株の出現で感染者と入院患者が急増する事態となっており、感染力が増しているこのウイルス株が流入して国内に広まるあらゆるリスクと闘うのが「(仏)政府の優先事項」であると明記した。

 さらには、LNRをはじめ仏内務省、保健省、スポーツ省、並びにエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)政権に対して、大会に参加するクラブへの新たなプロトコルを要請したことも強調した。

 トップ14はこれまでコロナ禍で延期されていた試合について、欧州大会が行われるはずだった今後2週間の週末に実施する予定としている。一方、ウイルスの影響で数試合が中止されたイングランド・プレミアシップは、この2週間を中断期間に利用する見通しとなっている。

 今季のシックスネーションズで、フランスはアウェーでのイタリア戦とアイルランド戦でスタートした後、2月28日にスコットランドを本拠地に迎えることになっている。さらに、3月13日には英ロンドン郊外のトゥイッケナム・スタジアム(Twickenham Stadium)で、前回王者のイングランドと対戦する。(c)AFP