【1月12日 AFP】ボート男子で1992年から2004年まで五輪4連覇を果たした英国のマシュー・ピンセント(Matthew Pinsent)氏は、新型コロナウイルスを理由に今年の東京五輪を中止し、同都市がフランス・パリに代わって2024年大会の開催地にスライドすべきだとの持論を展開している。同氏は自身のツイッター(Twitter)アカウントで、世界中から大勢の人々が集まるイベントを開催するのは「ばかげている」と主張した。

 東京五輪は昨年開催される予定だったが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的な大流行)で世界のスポーツが中断されたことを受けて延期された。大都市東京では現在、ウイルスの感染者が急増して緊急事態宣言が出されているが、主催者は2021年の開催を明言している。

 しかし、現在50歳のピンセント氏は、国際オリンピック委員会(IOC)が再度リーダーシップを取る必要があるとツイートし、「五輪のアスリート、関係者、選手団にワクチン接種の優先権があるというのは真逆の考えだ」とすると、「ワクチンを打たないまま、世界中から大勢の人々が集まるリスクを取るのはばかげている」と主張。

 さらには、「夏季五輪の順番をずらす要請をすべきだというのが私の考えだ。東京大会を2024年に延期した上で、仏パリ大会を2028年、米ロサンゼルス大会を2032年に動かせばいい。アスリートは1大会を失うが、その方が日増しに可能性は高まる」と付け加えた。

 ピンセント氏の今回のコメントは、日本で東京五輪の再延期を支持する声が高まっていることを受けてのものとなっている。共同通信(Kyodo News)が行った最近の世論調査では、五輪を中止もしくは再延期すべきとの意見が80パーセントを超え、昨年12月の60パーセントから大きく跳ね上がったことが判明した。(c)AFP