【1月11日 AFP】コロナ禍のハンガリーの首都ブダペストで失業し、脆弱(ぜいじゃく)な国の社会保障からもこぼれ落ちた人々が、一組の夫婦が始めた炊き出しに頼っている。

 支援に取り組むのは、ノルバート・バンゴ(Norbert Bango)さんと妻のビビアンさん。夫婦は昨年3月、新型コロナウイルス対策のロックダウン(都市封鎖)で経営していたレストランを閉店。その厨房(ちゅうぼう)を援助の拠点として使うことにした。以来、少なくとも週に1回、温かい食事を提供する他、調理油や小麦粉、果物などの基本食材を入れたバッグを配布している。

 夫婦は2年前、首都の夜の繁華街に店舗を購入。生演奏が楽しめる飲食店「キシュ・クラチ(Kis Kulacs)」を営んでいた。だが新型コロナ対策で街全体から観光客や地元客の足が遠のき、今では食事を求める人々が数百メートルにも及ぶ列をつくっている。

 映像は8日撮影。(c)AFP/Peter MURPHY