【1月11日 AFP】北朝鮮の国営朝鮮中央通信(KCNA)は11日、金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-un)氏が朝鮮労働党総書記に選出されたと報じた。父親の故金正日(キム・ジョンイル、Kim Jong-Il)総書記と同じ肩書を名乗ることで権威を高める狙いがあると、専門家は分析している。

 KCNAによると、朝鮮労働党大会で10日、正恩氏は「全会一致」で総書記に選出された。これに伴い、書記局体制も復活した。

 この動きについて専門家は、象徴的意味が大きいと指摘する。

 脱北して韓国の首都ソウルで研究者として活動する安燦一(アン・チャンイル、An Chan-Il)氏は、「委員長制度の新設などの2016年に導入した計画が実際には機能しなかったことを、間接的に認めるもの」と指摘。

「正恩氏は『党委員長』になることで、父親とは違う自身とその時代の新たなイメージを描こうとしたが、この困難な時期において、父親とのつながりを強調して自身の指導力を強化する必要があると感じているようだ」と述べた。

 党大会では新たな政治局員が選出されたが、正恩氏の妹の金与正(キム・ヨジョン、Kim Yo-Jong)氏は候補から外され、降格されたとみられる。

 韓国軍によると、北朝鮮の首都平壌で10日夜、党大会に合わせて軍事パレードが開催されたもようだが、「本番なのかリハーサルなのか」は現在調査中だという。(c)AFP