【1月11日 AFP】全米プロゴルフ協会(PGA of America)は10日、2022年の第104回全米プロゴルフ選手権(2022 PGA Championship)について、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の支持者が連邦議会議事堂を占拠した6日の事件を受け、同氏が所有するトランプ・ナショナル・ゴルフクラブ(Trump National Golf Club)での開催を取りやめると発表した。

 同協会のジム・リチャードソン(Jim Richardson)会長はツイッター(Twitter)で、「理事会による投票を行い、2022年の全米プロをニュージャージー州ベッドミンスター(Bedminster)のトランプ・ナショナルで行う契約を打ち切る権利を行使した」と発表した。

 この発表の以前から、ゴルフ界のトップに対してはトランプ大統領と距離を置くよう求める声が高まっていた。トランプ氏は自身でもゴルフをたしなむ熱心なファンで、任期中にも何度もベッドミンスターを訪れてコースをまわっていた。

 米誌ゴルフウイーク(Golfweek)は手厳しいトーンのコラムで、大統領との関係を絶つよう進言し、協会は2年にわたって看板大会である全米プロの会場変更を議論してきたが、「執念深いことで有名な男」の報復に神経をとがらせていたと明かした。

 ゴルフ界では、ワシントンでの事件の翌日にトランプ大統領から自由勲章(Presidential Medal of Freedom)を受け取った重鎮ゲーリー・プレーヤー(Gary Player)氏とアニカ・ソレンスタム(Annika Sorenstam)氏にも非難が集まっている。ゴルフ・ダイジェスト(Golf Digest)誌は、メジャー15勝のタイガー・ウッズ(Tiger Woods)が5月に同じ勲章を受け取ったことに触れながら、トランプ氏と距離を置くよう訴える論説記事の中で、業界の「鈍感」ぶりを指摘した。

 英国でも、自身の所有するトランプ・ターンベリー(Trump Turnberry)で全英オープン(The Open Championship)を開催したいという、トランプ氏の夢の実現は難しくなっている。

 スコットランドのターンベリーは、直近の2009年を含めて過去に4回全英オープンの会場になっているが、大会を主催するロイヤル・アンド・エンシェント・ゴルフ・クラブ・オブ・セント・アンドリュース(Royal and Ancient Golf Club of St AndrewsR&A)は以前、関係者が「2020年大会はここでは行わない。ターンベリーはいずれ戻ってくるだろうが、トランプ・ターンベリーの間は無理だろう」と話し、同コースでの2020年大会の開催を否定した。トランプ氏が人種差別的な発言をしたことが理由だと報じられている。

 2020年11月の大統領選挙で、民主党のジョー・バイデン(Joe Biden)氏に敗れたトランプ大統領は、選挙で不正があったと根拠のない主張を繰り返して支持者を扇動し、その結果、6日に支持者が議会へなだれ込んで5人が死亡する事件が起こった。政界では、修正25条を適用するか弾劾裁判を行って免職するべきだという怒りの声が高まっており、トランプ氏は1月20日のバイデン新大統領の誕生前に、史上初となる2回目の弾劾訴追をされる可能性がある。(c)AFP