【1月11日 AFP】アフリカ西部ベナンで10日、毎年恒例のブードゥー教の祭典が行われた。新型コロナウイルスの感染対策として大人数の集まりが禁止されているため、今年は信者らによる行進は行われなかった。

 アフリカ西部でボドゥン(Vodun)とも呼ばれる先祖伝来の宗教、ブードゥー教は、ベナンの前身となるダホメ王国や隣国のトーゴが発祥とされる。神々や自然界の精霊が存在し、呪物や魔術、さまざまな治療法が神聖なものとされ、祖先の霊が生者と共に生きていると信じられている。

 ベナン各地の都市や村で行われる祭典の行進には、通常、信者に加え、観光客や見物客が大勢集まるが、今年は、主にブードゥー教の宗教施設で行われた伝統行事に参加したのは一握りの信者のみだった。

 人口約1100万人のベナンは新型コロナウイルスの影響は少なく、公式の統計ではこれまでに確認された感染者は約3300人、死者は44人とされているが、実際の人数はそれよりはるかに多いとみられている。

 入手可能な最新のデータ、2013年の公式の統計によると、ベナンではブードゥー教の信者は人口の11%で、イスラム教徒が30%近く、キリスト教徒が25%を占めている。(c)AFP