■「神からのプレゼント」

 ウォータージェン社はガザに2台の装置を寄贈している。1台あたり6万1000ドル(約640万円)のものだ。

 ガザにある3台目はイスラエルのアラバ環境学研究所(Arava Institute for Environmental Research)が贈ったものだ。

 そのうちの1台はガザ南部ハンユニス(Khan Yunis)の市役所でごう音を立てながら作動中だ。

 この金属製の立方体は、湿気を凝縮、ろ過してすぐ飲める水に変える。

 湿度が65パーセント以上だとウォータージェン社の装置は1日につき5000リットルの飲料可能な水を生成できるとダムールのハリル氏は説明する。湿度が90パーセントを超えると1000リットル増える。

 生成された水は、市役所の職員や病院の腎臓病患者らが利用する。

「1、2台では何も変わらない」とハリル氏。「でも解決策はあると教えてくれる」と言う。

 イスラエルは、ガザ地区を実効支配しているイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)と2008年以来3度交戦している。そんな国を拠点とする企業との協力に問題はないのかと問われ、ハリル氏は語った。「われわれを助けたい人からなら、誰からの助けでも受け入れる」

 AFPはハマスにコメントを求めたが、すぐに回答はなかった。

 ガザの人々は、「奇跡」の装置が自分から贈られたものだと思っていないとミリラシビリ氏は述べた。「神からのプレゼントなんです。神が何かを与えてくれたとき、それを受け取るべきだと彼らは理解しているんです」 (c)AFP/Guillaume LAVALLEE