【1月10日 AFP】オーストリアのクリスティーネ・アッシュバッハー(Christine Aschbacher)労働・家族・青年相は9日、辞任を表明した。アッシュバッハー氏をめぐっては、大学時代の執筆論文に盗用があったとの疑惑が持ち上がっていた。

 セバスティアン・クルツ(Sebastian Kurz)首相が率いる国民党(OeVP)に所属する保守派のアッシュバッハー氏は、辞任の理由について「家族を守るため」と説明。また、自身に対する「耐え難い力による敵意や政治的な扇動、攻撃」があったとしている。

 学術研究の不正を指摘することを専門とするブロガーのシュテファン・ビーベー(Stefan Weber)氏は、2006年のアッシュバッハー氏の修士論文に「盗用や誤った引用、ドイツ語に関する知識の欠如」があると主張。アッシュバッハー氏は当時、ウィーナーノイシュタット応用科学大学(University of Applied Sciences in Wiener Neustadt)で優秀な成績を収めている。

 ビーベー氏によると、アッシュバッハー氏の論文には「見たこともないほど回りくどい表現、でたらめ、盗用」があり、2割以上の記述は他の情報源から出典を明示せずに抜き出され、中でも米誌フォーブス(Forbes)の記事からの盗用が目立つという。

 アッシュバッハー氏はビーベー氏の主張を「あてこすり」だとし、疑惑について否定している。(c)AFP