【1月9日 AFP】米首都ワシントンの連邦議会議事堂にドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の支持者らが乱入した事件で、当時現場にいたとされる男性が、インターネットに投稿した動画によって急進左派の活動家ネットワーク「アンティファ(Antifa)」の一員だと誤解され、大量の殺害予告を受けていると明らかにした。

 トランプ氏の支持者だというカリフォルニア州のクリストファー・ドリュー(Kristopher Drew)氏は8日、AFPの取材に応じ、「5分に1通の殺害予告が届く。耐えられない」と語った。

 原因は、議会乱入が起きた6日にドリュー氏が撮影した1本の動画だ。

 動画の中でドリュー氏は「たった今、議事堂襲撃から戻って来た。われわれは襲撃し、成功した」と発言。

 そして、フェイスブック(Facebook)で議会に乱入したのはアンティファだったと主張する人に触れ、「それはわれわれだ。われわれが誇りを持って議事堂を奪還した」と述べ、トランプ氏の支持者たちによるものだと強調した。

 しかしこの発言を、アンティファの関与を認めたものだと誤解した人々がいた。アンティファは、オンラインや公の場でファシズムと闘うことを掲げた、組織化されていない運動だ。

 トランプ氏支持派の弁護士であるリン・ウッド(Lin Wood)氏は、この動画にアンティファのメンバーが映っているとの投稿を右派プラットフォーム「パーラー(Parler)」に投稿・拡散。「議事堂に侵入したのは彼らだ」と主張した。

 ドリュー氏は、自分はアンティファではなく、自身が最初に投稿した動画は「ぶつ切りにされている」と述べた。

 また、「私自身は議事堂に入っていない、外にはいたが、『われわれは』議事堂を襲撃した、と集団であるという言い方をした」と釈明した。

 この動画はドリュー氏にとって悪夢となった。

 ドリュー氏は「みんなが私を脅してくる、あらゆる機会を捉えて私を傷つけようとしている」と嘆いた。(c)AFP