【1月8日 AFP】韓国の元慰安婦の女性12人が日本政府に損害賠償を求めた訴訟で、ソウル中央地裁は8日、日本政府に対し、原告1人当たり1億ウォン(約950万円)の支払いを命じる前例のない判決を下した。

 これは第2次世界大戦(World War II)中に日本軍に従事していた元慰安婦らが、日本政府を相手取って韓国で起こした初の民事訴訟。

 慰安婦問題をめぐり日本政府は、1965年の日韓請求権協定で解決済みという立場を取っている。

 同地裁は判決で、「慰安婦制度」の責任は日本にあったと主張。「当時10代後半~20代前半だった原告らは、繰り返し性的搾取を受けた」「これは人道に対する犯罪行為に当たり、被告には被害者らの精神的苦痛に対し賠償する義務がある」という見方を示した。

 日本外務省は、この判決を国際法違反だとして強く批判。駐日韓国大使を呼んで抗議するとともに、韓国政府の介入を要求した。同省は、同地裁が「国際法上の主権免除の原則を否定し、原告の訴えを認める判決を出したことは、極めて遺憾」だと表明している。(c)AFP/Kang Jin-kyu