【1月9日 People’s Daily】12月8日、中国・ネパール両国は世界に向けて正式に、チョモランマ峰(Chomolungma)は8848.86メートルであることを発表した。地球のプレート運動と自身などの因子により、チョモランマの環境は変化し続けており、中国でもさまざまな時期にチョモランマ地区に対して科学的考察を行って標高を発表してきた。1975年には8848.13メートルと測量し、2005年にはチョモランマの岩石面を標高8844.43メートルと測量した。今年、国家測量登山隊の隊員が再びチョモランマ登頂に成功し、各項目の測量を展開した。

 自然資源省第1大地測量隊の李国鵬(Li Guopeng)隊長によれば、今回のチョモランマ標高測量は初めての部分が多かった。

 多くの技術や手段を利用して、科学研究員が集めたチョモランマおよび近隣地区100万平方キロメートル以上の最新等高線データは、総量1億4400万本に達した。

 自然資源省中国測量科学研究院の党亜民(Dang Yamin)研究員によれば、2020年のチョモランマ標高測量フィールドワークデータは容易に手に入るものではなく、データも豊富で質も高い。

 中国が展開した前回2度の測量と違い、今回のチョモランマ標高データは中国・ネパール双方で協議を経たものであり、最終的に世界測地系に基づいたチョモランマの雪面標高を知ることができた。

 なぜ世界測地系を採用したのか?「両国の標高測量の基準が違っていたことに起因します」と、党亜民氏は語る。中国は黄海の海面を基準に標高を決めているが、ネパールはベンガル湾の平均海面の高さを基準としている。両国元首の「チョモランマの新標高」共同発表という共通の目的を実現し、友好を体現するため、連合技術委員会は協議の末に世界測地系の採用を決定した。「世界測地系は地球全体の海面の高さを基準としており、国際組織が発表したものであり、権威性があります」と、党亜民氏は言う。

 チョモランマ標高測量の意義について、専門家は以下の指摘をしている。科学的側面としては、チョモランマの高さとその変化状況を知ることは、地球の構造運動の解明や、地球科学理論の発展に大きな価値を持つ。他に、2015年4月にネパールで発生した大地震がチョモランマの標高に影響を与えているのか、あるとすればどのくらいの影響かということは世界的な論争を呼んでいる。これは正確な測量データをもってしか証明できないことだ。

 技術面から言えば、チョモランマは世界一の高峰であるがゆえに厳しい環境であり、その標高は人体にとって過酷であるだけでなく、測量装備や測量技術にも高いレベルが求められる。これによって、チョモランマ標高を精密に測量することは、国家の測量技術の水準と能力を総合的に測るものである。

 政治・外交面では、チョモランマは中国とネパールの国境にあり、両国の友好にとって重要なシンボルである。2020年は中国・ネパール国交樹立65周年にあたり、人類が北陵ルートからチョモランマ初登頂を果たして60周年であり、中国が初めてチョモランマの標高を正確に測量し発表して45周年である。中国・ネパール両国が共同で発表したチョモランマの最新標高は、必ずや両国の友好関係を一歩進める重要な記念事業となるだろう。(c)People’s Daily/AFPBB News